chemistry(ケミストリー)の意味から英語の考察

ケミストリーの意味

chemistry(ケミストリー)は、恋愛がらみでよく使われ、「相性」を表します。
今や、ほとんど日本語化していると言っていいくらいに個人的には感じています。

ケミストリーって、考察すると面白い言葉なんですよ。
言葉探偵目線だと。

ここでは、ケミストリーの正体を暴いていきましょう。

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chemistry(ケミストリー)の意味

chemistry → 化学 相性

恋愛がらみでよく使われます。

We have good chemistry.
オレたち相性がいい

こんな感じで。

音楽グループのケミストリーって、うまいネーミングかもしれませんね。

2つの意味があるって、妙味があります。

ケミストリーの正体

ケミストリーというのは化学と、相性という意味があります。

化学は、一般のしゃべり言葉では、「科学」と音が同じなので、訓読み重視で「ばけがく」と言いますよね。

では、恋愛がらみで、化学がなんで「相性」と関係あるんでしょうか?

「そりゃあ、簡単じゃないか。人の気持ちは、化学変化みたいなもんだから、別に変じゃないよ」

という声が聞こえてきそうです。

でも、このケミストリーという言葉の由来をひも解いていくと、いろいろと深い因縁が見えてくるのです。

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縁は異なもの味なもの

日本では、

「縁は異なもの味なもの」

ということわざがありますね。

男女の縁はどこでどう結ばれるか分からない、非常に不思議でおもしろいものだ

という意味です。

単に「縁は異なもの」と短く言うこともあり、『江戸いろはかるた』にもあるそうです。

英語にも、

Marriages are made in heaven.
縁組は天国でなされる

という言い方があります。

おっ! are made が出てきましたね。

「運命の赤い糸」よりも運命の人的な言い方の記事でも出てきました。

この縁に関する表現、確かにそれは感じますね。

つまり、洋の東西を問わず、「運命の赤い糸」のように、人間は同じようなことを考えるわけでして、奇しくも、ケミストリーには、この「縁は異なもの」というニュアンスがあるようなのです。

どうやら、この chemistry という言葉の由来に関係がありそうです。

では、chemistry という言葉はどこから来たのでしょうか?

正体は錬金術だった

英語の chemistry という言葉の元になったのは、実は錬金術なのです。

錬金術とは、化学的な手段を使って卑金属から貴金属(特に金)を精錬しようとする試みですが、卑金属とは貴金属の対義語で、つまり、金銀以外の金属ということです。

錬金術は、起源が古く、古代ギリシャのアリストテレスにまでさかのぼり、万物は火、気、水、土の四大元素から構成されていると考えた彼が、卑金属を黄金に変成させようとしたことから、錬金術は生まれたらしいのです。

その発想がきっかけとなって、ヘレニズム文化の中心地であった紀元前のエジプトのアレクサンドリアからイスラム世界に伝わり、つまり、ギリシャからエジプトを経てイスラム世界に伝わって、12世紀ごろにイスラムの錬金術がラテン語に訳されるなどして、ヨーロッパでさかんに研究されるようになったようです。

ふう、おつかれさまです。

錬金術、Wikipediaがおそろしく詳しいです。

 

英語で、

錬金術 → alchemy

です。

chemistryという言葉は、錬金術のalchemyという言葉が元であるという説が濃厚です。

al- というのはアラビア語の the です。

-chemy の部分はアラビア語の kimiya らしく、どうもはっきりはしないのですが、〝キミヤ〟というのはエジプトの古い呼び名らしいという説があります。

アルコールも錬金術の仲間なんだ

algebra → 算数
alcohol → アルコール

これらも錬金術の alchemy と同じように、前に al- がくっついたアラビア語が元です。

アルコールの alcohol の al- はいいとして、その後ろの -cohol が何だと気になりますが、どうやらアンチモンという金属のことをアラビア語でコールと言うそうで、ここでも錬金術の匂いがぷんぷんしてきます。

アンチモンというのは卑金属で、毒性があるものの、昔は顔料や化粧品として使われ、どうも瞼を黒くするために使われていたようです。

今では工業製品用のレア・メタルとして使われているようです。

瞼を黒くってことだと、クレオパトラちっくな話ですね。

アンチモン Wikipedia

Love is …

さてさて、話をケミストリーに戻しましょう。

chemistry のまさに「縁は異なもの」力を示す証拠として、どうしても覚えてほしい言い方があります。

それが、あまり辞書には載っていませんが、

Love is chemical.

「愛は得も言われぬ不思議なもの」

とでも訳しましょうか。

こういうそのものずばりな言い方が英語にはあるのです。

初めてこの表現を聞いた時には、
「愛には化学添加物でもがんがんに入ってるのかな」
なんて、思ったもんです。

今、背景にあるのは、どうやら錬金術のようだと当たりがつくと、結構スッとしてます。

 

卑金属が化学反応で、つまり、chemistry で黄金に変わるように、もしかしたらあなたの愛が黄金に変わるかもしれません。

えっ、いくらやっても、錬金術で黄金は生まれないって?!

そんなこと言わないで、卑金属だと思ってる愛をどうか貴金属に変えていきましょうよ。

それもひとえに、あなたとあなたの好きな人のケミストリーにかかっているわけなのです。

 

なんて、元に戻ったところで、以上のケミカルなお話はこのへんで終わりましょう。

また、異なものをご紹介できればと思います。

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