英語で運命の赤い糸よりも運命の人的な言い方

英語で運命の人的な言い方

英語で「運命の赤い糸」は、red thread of fate だと、前記事で書きました。

そこで早速、近所の仲がいいネイティブに確認したところ、「う~ん、そうね。そう言われてみれば、そういう言い方があるね」と言われました。

個人差はあるのでしょうが、その人に言わせれば、red string よりも red thread かなあという意見でした。

「そう言われてみれば・・・」という言い方だったので、そう頻繁に使う表現ではないようです。

「赤い糸」に関しては、このぐらいにして、それよりもネイティブ間でもっとよく使う言い方として、運命の人的な言い方があるので、それをご紹介しておきましょう。

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英語で「お似合いのカップル」

We are meant for each other.
(僕たちは出会うべくして出会った二人なんだよ)

お似合いのカップルという表現がありますよね。

まあ、確かに、「運命の赤い糸」で結ばれている二人は、「お似合いのカップル」とも言えます。

ただ、「お似合いのカップル」と自分から言う人は少ないでしょうし、これは第三者からの客観的な表現です。

本当にお似合いかどうかの内情は、別にしてですね。

そう人から言われる前に、口説き文句としても使える可能性があるのがこの表現です。

運命の相手を見つけた人たちの、当事者としての言い方です。

こんなことをずばりと言われた女性は、コロッとなびいてしまうかもしれません。

英語で「理想のカップル」はなんて言う?

I think they are meant for each other.
(あの二人は理想のカップルだと思うね)

というふうに、第三者を表す三人称の they を使えば、「理想の相手」とか「理想のカップル」というふうにシフトしていけます。

「出会うべくして出会った二人」から「理想のカップル」に変わったのは、単に一人称から三人称にシフトしたせいで起こる意識や表現の違いにすぎないのです。

くせ者は、meant なのです

ここに出てくる meant というのは、mean を受け身にした時の過去分詞ですよね。

それでは、ちょっとここで「今さら聞けない」おさらいをしておきましょう。

受け身を習った時、

主語+be動詞+過去分詞(+by 誰それ)

っていうの教わりましたよね?

(by誰それ)のところには、いつも人とは限らず、物が来る時もありますけどね。

 

で、「あなたを愛したい」という言い方があったとします。

ちょっと変な日本語ですが、それを元に、もっとおしゃれな言い方がしたいのでちょっと我慢してください。

「あなたを愛したい」よりも、「あなたに愛されたい」のほうが文としてリアリティがありますよね。

なので、まず前段で、

I want to love you.
「あなたを愛したい」

っていうのを作っておきます。

これを土台にして、受け身を使うと、

I want to be loved by you.
「あなたに愛されたい」

と言えるんです。

いつも「あなたを愛してます」なんて芸のない文ばっかりじゃなくて、ちょっとひねりが入ってるでしょ。

受け身って敷居が高いイメージですけど、慣れると案外便利なんですよ。

「する」側からばかりじゃなくて、「される」側から物が言えるからです。

 

ところが、

they are meant for each other.

の場合は、(by 誰それ)が書いてなくて、かわりに for each other(おたがいのために)が来てるので、「おっ、by の後は誰なんだあ~」的にちょっと気になり、意味深になってきます。

隠してあるので、考えさせられて奥行きが出るわけです。

はっきり言えばいいのに書いてないから、ちょっとした謎が深まるわけです。

もっと言うと受け身って、(by 誰それ)って言いたくない時に、ごまかすために作られたんじゃないかと思う時もあります。

だから、(by 誰それ)って、いつも書いてあるわけじゃないのです。

たとえば、Made in Japan って、前に This is とか It’s が略してあるけど、当たり前なので、書かれてないでしょ?

それに、肝心の(by 誰それ)も書いてありません。

「誰が」作ったよりも、「どこで」作ったのほうが大事なんで、(by 誰それ)とはいちいち書かれてないのですよ。

例えば、お手持ちのスマホは誰が作ったのなんて、言えます?

会社名ですか、工場の人の名前ですか?

田中さん、鈴木さん?

ねっ、ごまかしてるでしょ?

ごまかしってほどじゃないですかね。

書く必要がないからなんですよ。

話を動詞の mean に戻しましょうね。


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「意味する」の意味は?

mean というと、「意味する」という和訳が真っ先に頭に浮かぶと思います。

メジャーな使われ方は、You mean… とか、I mean… というような形で、「つまり、それは…」という間つなぎ的なフレーズとして使われます。

you know についでよく会話では出てくる固まりです。

つまり、「あなたの意味するところは…」とか「僕の意味するところは…」というふうに、確認するような形ではさまれていきます。

でも、ここは、

We are meant for each other.

と、受け身、受動の形です。

mean は、受け身になるとぐっと深くなる

さあ、ここで考えてみましょう。

We = 二人は、誰によって「意味づけされた」んでしょうかね?

そう、そこには「赤い糸」の時に出てきた月下老人のように、上にいる神様のような存在が意識の中に入ってきはしませんか?

これと発想が似た表現に、「天職」という意味の vocation とか calling という英語があります。

両方とも、ざっくり言えば、「神様のお告げ」という発想です。

calling というのは、call が「呼ぶ」という動詞なのでいいとして、vocation というのは、ラテン語の vocare「呼び出す」が元なのです。

「神様によって召し出された」職業というイメージで、つまり、「天職」ということです。

ちなみに、made でも同じ意味になるよ

このケースでの mean は made で言いかえることもできます。

We are meant for each other ≒ We are made for each other.

という図式です。

made のほうを直訳すると、

「僕たちは、おたがいが出会うために作られたんだ」

ということです。

これも、運命に近い言い方で、meant と同じくらい重いので、相手に対してよほどの想いでもない限り、使うのは厳重注意ですよね。

だって、made ってぐらいですから、製造年月日は違うまでも、スペックが同じだみたいな言い方ですからね。

向く方向が同じように、つ・く・ら・れ・て・いると言ってるわけです。

よほどの相性です。

また、話を mean に戻しましょう。

縁起のいい meant から縁起の悪い meant まで

さらに、英語の be meant には、be meant to~ というように、後ろの~に動詞が入ったりする使い方もあります。

なので、

be meant to~ 「~する運命にある」

という重い意味を背負うことになります。

例えば、さっき出てきた、

We are meant for each other.

の場合。

for each other の部分が、「一緒に」の together でも同じような意味になります。

 

恋愛ドラマなんかで、

We are meant together.
(僕たちは一緒になる運命なんだ)

のような、meant が「運命」という重い運命を背負った言葉になったかと思えば、

もし、仮にその二人が、別れでもしたら、

It was just not meant to be.
(そういう運命じゃなかったんだよ)

と、180度違う意味も持たせられるのです。

まるで手のひらを返したようですね。

この be は、ビートルズの Let It be の時の be のように「あるがままでいる」のようなニュアンスです。

なので、

Be the person you were meant to be.
(君はそんなやつじゃないだろ)

なんていう言い方もあります。

直訳すると、「君は本来あるべき自分になれ」という意味で、「君はそんなやつじゃないだろ」という励ましが響きます。

「そんな君じゃないはずだ」的な。

mean から紐解いてみました

運命の人的な英語の表現を、mean から紐解いてみました。

たくさんの英語に触れて、背景がわかってくると、くせ者もかわいいもんです。

ここまで考えられるのって、日本語からマスターしたからかもしれませんね。

言葉探偵の捜査は続くよどこまでも。

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