英語で「脈あり」は何て言うのか翻訳家さんに聞いてみました

英語で脈あり

英語で「脈あり」は何て言うんでしょうか?

脈はどの国の人にもあります。

日本にしかない表現じゃなさそうです。

翻訳家さんに聞いてみました。

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英語で「脈あり」はなんて言う?

I’m getting a good vibe from her.
彼女は脈ありだな

というふうに使えるのではないでしょうか?

または、省略しない形の、

I’m getting a good vibration from her.

なら、バッチリです。

このバイブこそ、「脈あり」にいちばん近い英語ではないでしょうか?

「脈あり」のニュアンス

そもそも、日本語の「脈あり」という言葉は、生死をさまよってる人の蘇生を試みたりする場合に、「いや、脈があるぞ!」というふうに喜ぶシーンを映画などで見かけますが、血管の脈拍のことですよね。

つまり、一時はだめだと思ってた人の生命の証しを得た時に発する言葉です。

なので、恋愛の場合も、前提として、ダメだと思ってたけど、案外、「脈があるな」というニュアンスで使われる言葉ですよね。

そうなると、この進行形は大事ですよ。

まだ、動作が完了してないのが進行形の特徴ですから、ちょっといい感じになってきているだけであるので、まさに「脈あり」の初期段階を示しているわけです。

その後の展開がまだ分からないので、まさに現在進行形なわけです。

「脈あり」=「ハマる」とすると

また、何か(人でもいいのですが)に「夢中になる」とか「ハマる」なんていう時に、最近よく使われる言葉に、

be into something(someone)

というのがありますから、これを利用すれば、

I think she is into you.

も、アリな表現かもしれません。

くどく訳すと、「彼女は君に夢中になってるみたいだぞ」と、ここでも、「みたい」を強調するために、伝える人の I think(僕が思うに)を加えてあります。

どうでしょう、これで「脈あり」の英語の「脈」が伝わってきたのではないでしょうか?

みなさんもこのような good vibe を得られるよう、まじめにがんばりましょうね。

バイブスって聞くようになりました

ヴァイブレーションに関しては、略した「バイブス」という言い方を聞くようになりました。

「バイブス上がる」
「バイブス上げていきましょー」

みたいな書き込みをSNSで見かけるようになってきました。

vibe っていうのは、vibrationを略した形で、「振動」という意味です。

その昔、といっても、1966年に、アメリカのビートルズと言ってもいいビーチ・ボーイズが大ヒットさせた曲名に使った「Good Vibrations」という言葉がありましてね。

メンバーのリーダー的な存在で作曲者のブライアン・ウィルソンという知る人ぞ知る人がいるんですが、彼の母親が、「それっていい感じね」という意味で、使った good vibration というフレーズが元になっているらしいのです。

昔も…

60年代にも、英語から来る言葉が流行りました。

たとえば、日本語のノリを表すグルーブとかね。

groove

グルーブって、銃口の内側にあるらせんの溝のことで、それがあるおかげで弾丸はまっすぐ飛ぶんですね。

つまり、弾道にちゃんとしたノリを作るっていうわけです。

いつの時代にもあるもんですね。


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「脈あり」に似た、他の英語表現はないのでしょうか?

いくら「脈あり」だからといって、まさか、

I have a pulse.
脈がありますね

じゃいけませんね。

確かに pulse は脈ですけど、お医者さんじゃあるまいしね。

「あなたは直訳症の患者です」と言われそうです。

パルスは電気信号の時にも使われたりもしますが、基本的に血管の脈というイメージです。

日本語の「脈」は恋愛にたとえた比喩です。

There is her pulse.

「脈あり」というんで、「~がある」のThere isを持ってきてもムダな抵抗と言われそうです。

それじゃあ、というんで、これはどうでしょう・・・

good reactionはどうだろう?

I got a good reaction from her.

までちゃんと言えば、「彼女からの反応はよかった」ということは分かります。
あるいは、high possibility とか good chance というのを考えた人もいるでしょう。

日本語が短いフレーズなので、短く言おうとする気持ちは分かるのですが、いきなり「可能性が高い」とか「いいチャンスだ」と言われても、何の「可能性」か何の「チャンス」かも分かりにくいです。

会話では主語を省く日本語脳が、なるべく名詞形とか短い単語で言おうとする癖がここにも出てしまいます。

ちょっとひるがえって、「脈あり」に近い日本語をいくつか思い出して、そのあたりを手がかりにしてみましょうか?

「お熱を上げる」っていうのがありましたね

「お熱を上げる」という英語にはいろいろありますが、こんなのはどうでしょう?

She has a crush on you.
彼女は、君に熱を上げてるよ

と、誰かにそう言われたら、盛り上がりますよね。

日本語の「惚れる」ってことですね。

英語の crush って、もともとは「歯ぎしり」のことで、そこから「つぶれる」というイメージへ発展して、「人が混み合う」=「混雑」あたりが基本的な意味です。

でも、そこからさらに、口語で「惚れる」の意味になったのは、おそらく、

「いろんな想いが混み合う」→「想いがつのる」

へと変化していったからだと思われます。

英語で「惚れる」はなんて言う?

一般的なのは

I’m in love with her.
彼女に惚れている

つまり、「be in love with ~」という形で、「誰それと恋の状態にある」って言うのがいちばん分かりやすい形ですね。

そういう「惚れてる」、いわゆる「ホの字」の状態に落ちるという言い方も、英語にはあって、この場合は、be じゃなくて、「落ちる」の意味の fall という動詞を使って、

fall in love (with…)

という形も歌なんかでよく見かけますね。

大人っぽい表現で

ただ、もうちょっと大人な、少し難しいいい方だと、

infatuation

というのもあります。

元になってるのは、infatuate という動詞です。

動詞のほうは、「恋にのぼせ上がらせる」という他動詞の感じです。

 

in は、英語の in のイメージで、「その中に入れる」。

後ろの fatuate は英語の「おバカさん」の fool と思ってください。

つまり、「恋に落ちて、おバカさんにさせる」ってことなので、他動詞的です。

他動詞的な「~させる」じゃなく、自動詞的な「なる」のグループに入る「おバカさんに《なる》」にするには、どうしたらいいでしょう?

「させる」の他動詞を「なる」の自動詞にするには、どうしても受け身にする必要があります。

なので、

「誰かに入れ込んで、恋にのぼせ上がる」のは、

be infatuated with(誰それ)…

という受け身の形をとります。

とにかく、英語には他動詞が多いので、受け身は大活躍です。

They are infatuated with each other.

と言えば、「二人は相思相愛だ」ということになります。

歌の文句にもある似たスラングがあるぞ

かつての、R&B の大御所で、だいぶ前に亡くなってしまったサム・クックという人の大ヒット曲で、You Send Me という曲がありました。

ダーリン、ユー、ウウウ~、センド・ミー♪

で始まる歌ですが、この歌の中には infatuation というさっきの言葉も出てきます。

You send me.は、直訳すると「あなたは、僕に送ってくれるよね」ですが、初めて聞いた時、何を送るのだろうと思いましたね。
恋愛がらみで、「送る」と言われれば、日本語力のある人は、「それを言うなら、秋波(しゅうは)だろ」と言うかもしれません。

秋波とは、こびを表す目つき。色目です。

ちょっと古臭いいい方かもしれませんけどね。

この歌を作った人が、いきなり You send me. と言っても分からないだろうと思ってくれたのか、歌の中で、You thrill me.と言い直してくれています。

You thrill me.
君にはぞくぞくするよ

と言い換えているので、つまり、「ホの字」だということです。

この send someone という言い方は、今ではあまり使われていませんが、その元には「神の贈り物」という意味の godsend という言葉があって、どうもそのへんが出生のようです。

恋とは「神様の贈り物」だという意味の、ジャズ・ミュージシャンが1930年代に流行らせた言葉らしいのです。

結び

このように、日本語でも同様ですが、英語には恋愛に関するこういう表現は無数にありますね。

また、恋愛がらみのこんな表現があるぞ、というのを思いついたら、また別の項目でご紹介したいと思っています。

洋の東西を問わず、日本人も英語圏の人も恋愛は嫌いじゃないわけで、そこには、一「脈」通じるところがあるなんてね。

脈で通じたところで、この項目を終えましょう。

 

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