英語で「年の差カップル」って何て言うんでしょう?
よく海外のニュースなんかで見かけるのが、たとえば90近くのおじいいちゃまと20代のおねえさまがめでたくご結婚というようなことがよくありますね。
年の差も、日本人の感覚と、世界の感覚って違ってるんだろうなって思います。
翻訳家さんに聞いてみました。
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英語でなんて言う? 恋愛ネタ編を翻訳家さんが解説
英語で「年の差カップル」はなんて言う
と言います。
あるいは、後ろの部分だけ変えて、
「5月と12月のカップル」とか、同じくロマンスとか、男女関係というのは、おもしろい言い方ですね。
たしかに、5月と12月は7ヶ月も離れてます。
その月の差が、年の差を表す比喩として使われてるわけです。
他の言い方だと・・・
あるいは、やや説明的ですが、
と言えないこともないです。
ギャップは日本語にもなってるので、いいですよね。
difference はまさに「違い」ですから、「年の違い」→「年の差」というわけです。
ついでに公式も覚えておこう
後ろにくっついてる with が気になりますか?
「~といっしょに」の with と考えてもいいですが、この際、with は having と置き換えられるという一種の公式も覚えておくといいですよ。
つまり、
と考えればいいわけです。
でも、なんだか長ったらしいので、少しでも短いものを好む英語的には、with のほうがいいわけです。
それに、couple with なんちゃらより、May to December couple のほうが斬新な表現ですし、詩的じゃないですか?
ポエムですよね。
では、文例をひとつ
年の差カップルが増えてる感じがしたなら、
最近、年の差があるカップルって増えてきてるよね
とか言えばいいわけです。
一種の流行みたいなもんだと思わない?
というような一言を添えて、会話を進めることもできますよね。
trend は、ほとんど日本語にもなってるのでいいですよね。
トレンドです。
「傾向」とか「流行」ということです。
あ、それから、細かいことですが、
の中間部分に使ってる to ですが、下のような関係がうっすらとあることも念のため、書いておきますね。
ちょっとした注意点
「AからBまで」という時、from A to B と相性のいい言い方がありますよね。
なので、May to December coupleは、(From ) May to December coupleをうっすら感じて、Mayの前の( )が隠れてると考えると、分かりやすいかもしれませんね。
「5月から12月ぐらい年が離れてる的なカップル(男女関係)」という考えです。
たとえばですが、仮に、
May and December couple
と言ったとすると、「~から~までの」距離感があまり出ないわけですよ。
人によっては、そんなtoもめんどくさいってんで、二つの離れた月を並べときゃ分かるだろと、
と言う人もいます。
思いっきり中国にハンドルを切りましょう
要するに、5月は人生を一年にたとえると、青葉が茂る青春の象徴であって、9月というのはどこかに夏が終わったさびしさもある、熟れた時期というわけです。
ちょうど青春という言葉が出てきたんで、ちょっと英語には関係ないんですけど、ついでに日本語というか漢語というか、少し中国寄りの話もさせてください。
みなさんは「まちぼうけ」という童謡なんかで有名な北原白秋っていう明治時代の詩人の名前は、聞いたことがありますよね。
北原白秋さんは、本名は北原隆吉と言うそうで、白秋というのは雅号といって、詩人のペンネームのようなものです。
青春と来たら、白秋だよね、と・・・ここで何かピンと来るものがあったら、あなたは相当教養がある人とお見受けします。
青春とは、字のごとく、元は春を表す言葉で、春夏秋冬の、いわゆる四季にはそれぞれ色のつく呼び名があるのですよ。
古代中国の陰陽五行説に関係がありましてね。
初夏秋冬に色をつけて、
朱夏(しゅか)
白秋(はくしゅう;白)
玄冬(げんとう;黒)
というふうに、色をつけて呼ぶ考え方があったんですよ。
春は青といっても、信号の色もそうですが、実際は、昔から緑のことですね。
夏は朱夏だから、朱色の赤ですね。
秋は分かりやすく白。
冬の玄は黒ということです。
ほら、玄人って書いて、「くろうと」って読むじゃないですか?
また、英語にハンドルを切り返します
得意の脱線が長くなってしまいました。
戻りますね。
前半部分で、年の差を5月と12月の月の差で表してきましたけど、カップルとかロマンスを、さらに各月の上位概念である季節にたとえる言い方が、英語にもあるんですよ。
このへんの似たような考えは、洋の東西を問わないわけです。
だいぶ年がいってから、恋に走るのを、英語では白秋じゃないけど、
って言います。
日本語には、晩生(おくて)って言ういい方があって、恋愛でも使いますよね。
でも、あれ、日本では晩稲とも書いて、米=農業にたとえてるわけです。
遅咲きの恋っていうのもありますけど、日本語では、もうちょっと年がいってからの恋を「老いらくの恋」とも言いますね。
英語の autumn romance は「老いらくの恋」ってやっちゃっていいんでしょうかね。
でも、アマゾンでは、そのものズバリ、
「Autumn Romance」っていう洋書が出ていまして、その副題に
(50を過ぎてからのさまざまな恋愛事情)
って書いてあるから、老いらくの恋より若い、燃えるような恋なんでしょうね。
日本語の老いらくの恋は、どうも定年すぎてからの恋のイメージがありますからね。
だんだん同じ恋でも、年よりくさい恋の話になってきちゃって申し訳ありません。
でも、もうここまで来たら、もののついでと言っちゃなんですけど、最後にもう一つ、そういう関係の英語をご紹介して終わることにしましょう。
英語で元カレとか元カノはなんて言うんだろう?
英語では元カレとか、元カノのことなんて言うんでしょう?
試しにネットで検索してみたら、ほとんどが
ex-girlfriend
としか出てこなくて、当たり前すぎておもしろくないんですよ。
人によっては、ただ
とだけ言う人もいます。
読みは、ex はエクスと発音すれば用は足ります。
基本的に、ex-という先頭に来るパーツ(接頭辞)は、「~の外の」とか「~を超える」という意味を持っていますから、たとえば、ex-boyfriend は、今は彼氏という座の「外にある」という考えから、「元カレ」というような考えに至ったという流れなんです。
未練たらたらの感じをこめたい場合
ところで、元カレと元カノという言葉の響きには、まだ未練たらたらのイメージを感じてしまうのは、僕だけなんでしょうかね。
英語の ex-boyfriend とか ex-girlfriend という単体の単語の響きには、何もそういうの感じないんですよ。
まあ、前後に未練たらたらのセリフをつけ加えれば、そのへんの事情は付け足せるんでしょうけどね。
ただ、未練タラタラの元カレ、元カノの言葉が英語にはあるんですよ。
という言い方です。
直訳すると、「古い炎」。
でも、辞書には「昔の恋人」としか載っておらず、残念ながら日本語の訳には、未練がましさがあまり感じられません。
しかし、この表現には、いかにもまだチロチロと恋の炎が燃えてる感じがありますよね。
このへんは言葉の違いとあきらめるしかありません。
翻訳者としては、未練タラタラの気持ちが消えないのが正直な気持ちです。
だって、あなたににも、好きなまま別れた人の一人や二人、いるでしょ?
「別れても好きな人~♪」という歌の文句もあるぐらいです。
誰しも、そのへんの大人の事情の一つや二つはありますよね。
実は、この言葉の背景にも、そういう未練たらたら事情があるというお話をしたいのですが、もうスペースがないので、「大人の事情」で次回に持ち越したいのです。
なんせ、未練たらたらの言葉ですからね。
では、また、次回またお会いして、この炎を消してみませんか?
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