英語で「序破急」は何ていうか翻訳家さんに聞いてみました

英語で序破急

序破急ってワード、映画のエヴァンゲリオンのタイトルで初めてググりました。

世界的に有名な映画のタイトル、外国のお友達になんて教えてあげればいいのでしょう。

英語で何ていうのか翻訳家さんに教えてもらいました。

スポンサーリンク

PICK UP
▼まだまだ聞いた翻訳家さんの面白解説▼
英語でなんて言う? 面白ネタ編を翻訳家さんが解説

 

英語で「序破急(じょはきゅう)」は何と言うの?

英語の感覚で言いますと、

boy meets girl, boy loses girl, boy gets girl back
男子が女子と出会い、男子が女子と別れ、また女子を取り戻す

に置き換えられます。

boy meets girl, boy loses girl, boy gets girl back

というフォーミュラ(公式)がほとんどのロマコメの映画に当てはまります。

えーと、英語には romantic comedy を略した romcom という言い方があります。

つまり、ハリウッドのロマコメのほとんどが、この公式で、もっと言えば「序破急」で出来てると言えるわけです。

ロマコメで、とりわけ、重要なのは、「序」に当たる出会いの部分ですね。

ここで「つかみはオッケー」にしとかないと、恋人と別れたり、よりを戻したりしてもちっとも盛り上がらないわけです。

そこで、惜しくも今は亡くなってしまった偉大なアメリカの映画評論家のロジャー・エッバートという人が、この「序」の部分に大事なポイントとして、Meet-cuteという言葉を編み出しました。

Meet-cute(ミート・キュート)って何だろう?

読んで字のごとく、「キュートな出会い」ということです。

覚えておいて、損のないキーワードです。

たとえば、

Singin’ In the Rain(雨に唄えば)

という有名な同名のロマコメ仕立てのミュージカルがあります。

歌が有名です。

歌とダンスの名手の主演ジーン・ケリーが、雨の降る中、タップを踏んだりして、♪シンギン・イン・ザ・レイン・・・と歌いながら、電柱をくるくる回りながら歌う、あまりにも有名なミュージカル映画です。

その彼があちこち器用に登ったりしながら、古い映画なので記憶がおぼろげですが、電柱をくるくる回ったりした後、たまたま通りがかった車の助手席にドスンと乗ると、それはヒロインの運転する車だったというオチです。

ね、キュートな出会いというわけです。

Meet-cute(ミート・キュート)です。


スポンサーリンク

序破急の意味

ところで、「序破急」という日本語は、そもそもどういう意味なんでしょうか?

この言葉を知っている人は、ほとんどの人が能から来た言葉だと思ってるのではないでしょうか?

確かに、能を極めた世阿弥(ぜあみ)の「風姿花伝(ふうしかでん)」などに、この言葉が出てきますから、能とも関係があります。

ただ、元々は雅楽の舞楽、つまり、舞いから出た言葉で、そこから一般に能楽をはじめ、連歌(れんが)、蹴鞠(けまり)、香道(こうどう)、剣術、居合抜きの居合道、茶道など、日本のほとんどの芸道で使用される言葉だそうです。

「序」は、太鼓のゆっくりとした拍子か、拍子のない状態で自由に踊る場面で、その拍子が速くなってアップテンポになる部分が「破」で、「急」は読んで字のごとくテンポが加速していく部分にあたります。

boy とか girl みたいに人じゃなくてもいい

近頃だと、

boy meets girl, boy loses girl, boy gets girl back

が公式なんだなどと、断定してしまうと、女性に怒られてしまうかもしれないのですね。

girl meets boy, girl loses boy, girl gets boy back

じゃないの、と言われそうです。

それでもぜんぜん構わないわけで、要は

A meets X, A loses X, A gets X gets back

と考えれば、Xのところに来るものは常に異性の意中の相手でなくてもよくて、たとえば、

Aさんがある病気と出会って(=序)
それを直す方法を、見つけようとするも、その方法の手がかりを失い(=破)
苦労の末に手がかりを手にする(=急)

という三幕構成でもいいわけです。

ざっくり言ってしまえば、作り手が起承転結の四幕構成にするか、もっとシンプルに序破急の三幕構成にするかは、自由なわけです。

先程の序破急の例、

小生の好きな映画に『ロレンツォのオイル/命の詩(うた)』という93年の実話に基づく感動的な名作がありましてね。

自分の一人息子であるロレンツォが副腎白質ジストロフィーという難病にかかってしまいます。

つまり、難病との出会いです(=序)。

お父さん(=ニック・ノルティ)は、その難病を直す医者がないことを知り、医学的知識もないのに、何とか調べて「自力で直す」決意をするのです(=破)。

最初は、周囲からそんなことできるわけがないと、医者や周囲の人は鼻で笑いますが、お父さんはがんばります。

そして、息子の病状が悪化する中、ついに苦労の末に、ある食用油がこの病気に効果があることをたまたま発見し、ついに解決法を見つけるのです(=急)

その油が、息子の名前から〝ロレンツォのオイル〟として、その効果が認められるまでの話です。

かいつまんでしまうと、なんだあと思うかもしれませんが、お父さんの奮闘ぶりが、実話であるだけに、実に感動的なのです。

つまり、Xは難病もしくはその解決策というわけです。

というわけで、これからは、好きな映画を観終わって、この映画のXは何かなあと観ていくのも、また楽しからずや、だと思うのですが、いかがでしょうか?

ロレンツォのオイル/命の詩 - Wikipedia

 

なんてことを言いながら、

王道なパターンを崩すことから、新しいものが生まれるかもしれないなあとも思っています。

もしかしたら、もっとしっくり来るパターンがあるのかもなあとも思っています。

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました