英語で「調子に乗る」をなんて言うか翻訳家さんに聞いてみました

英語で調子に乗る

「調子に乗る」って、悪いイメージで使われがちですが、そんなに悪いことじゃないと思ってます。

調子に乗れる時期って、無いよりあったほうがいいかと。

乗れずに終わるより。

英語の表現、翻訳家さんに聞いてみました。

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英語でなんて言う? 面白ネタ編を翻訳家さんが解説

「お調子に乗る」って、英語では何と言うの?

英語では、

get overexcited

とか

get too excited

とか

get too carried away

あたりでしょうか?

直訳すると、「興奮しすぎた状態になる」ということです。

ちょっと英語の解説をすると、

over は「越える」ですから、エキサイトが過剰になるということで、overexcited というのは、「興奮しすぎて」という形容詞的な言葉になります。
その次の excited は、動詞が形容詞化した形ですから、それに「~すぎる」という too をくっつければ、「興奮しすぎる」という状態が形容できるわけです。
そのまた次の、carried awayっていうのは、これはかなりこなれた、ぽい英語で、carry は「持っていく」という動詞、away は「離れたところに」「遠くへ」ということですから、「(心をどっかに)持っていかれた」状態で、「興奮する」に近い意味です。

この三つとも、get を使った受け身形になっていますから、「~になる」というやや動きのある get を使って状態を表しています。

「静」の be動詞は、(元から~という状態である)である一方、
「動」の get という動詞は、(元の状態から~の状態になる)で、
どちらも結果的には状態を表しますが、動と静のニュアンスの違いがあります。

分かりやすく言えば、違う状態をゲットするわけです。

ちょっと調子に乗る

日本語でも、「ちょっと調子に乗りすぎた」と「ちょっと」を入れて、文字通り、「調子を」つけることがありますが、英語も同じで、

Last night, I got a bit overexcited and I drunk too much.
昨日の夜はちょいと調子に乗りすぎて、飲みすぎちまった

というふうに使えるわけです。

ちなみに、overexcited の前にちょいとはさんである a bit は、a little と同じく、「ちょっとだけ」「ちょいと」ということです。

動きのニュアンス

もちろん、get という動詞のかわりに、be動詞を使って、

Last night, I was a little carried away and I drunk too much.

と言っても十分意味は通じますが、「調子に乗る」の「乗る」にあるような動きのニュアンスが感じられません。

 

なので、get の過去形である got を使うと、「やっちまった」感が強く出ます。

なんでかっていうと、実は、get を受け身に使った get+形容詞とか過去分詞って、

被害の get

と言って、被害の感覚が強く出るケースがあるのです。

例えば、よゐこは知らなくてもいいのですが、get laid って、スラングで男女が一つになるという意味なんです。

この get laid は、もともと、直訳すると、「寝かせられる」という受け身的な意味です。

ねんねしたくもないのに、「ねんねさせられる」という大人の事情の、被害者的な意味です。

それがいつのまにか能動的な、「一夜を Let’s spend togetherしようぜい!」みたいな、忌野清志郎とかローリング・ストーンズみたいな意味になってしまったんです。

もっと分解すると、laid が文字通り「寝かされ」で、get が「ちまう」というわけで、「無理やり寝かされちまう」大人の事情の言葉です。

それとか、ニュースなんかで、~人の死者が出たなんていう場合、新聞の見出しでは、

got killed

とか、35人の負傷者が出たなんていう場合は、

35 people got injured

と書かれていたりします。

被害意識が全開です。

こういう場合は、圧倒的に was killed より got killed のほうが、

「自分は悪くないのに」=「被害」の感じが出ます。

そういうわけで、「お調子に乗る」は、ほとんどの場合、「やっちまった~」という話の場合でしょうから、get と相性がいいわけです。

こら!

ただ、反省する場合だけじゃなくて、「こら、調子に乗るな」といさめる場合もあるので、そういう時は、Don’t を使って、上の三つを使えばいいので、

Don’t get overexcited
Don’t get too excited
Don’t get too carried away.

と言えば、事足ります。


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関西弁の「いちびる」って何?

ところで、話はそれますが、大阪の人とか関西系の人がよく言う「いちびる」っていう言葉、聞いたことあります?

「いちびる」というのは、「お調子に乗る」という意味の大阪弁らしく、お調子者のことは、「いちびり」と言うそうです。

語源は、「市振る」と書くそうで、賑やかな市場のせりを思い出してもらえばイメージしやすいのですかね。
ああいう市場のような活気があるフリをする、が「いちびる」の元らしいです。

「いちぶる」が「いちびる」に変化し、「いちびり」で名詞化したようです。

英語で「お調子者」

では、「いちびり」という言葉が出てきたので、標準語版の「お調子者」は英語で何と言うでしょうか?

ずばり、一語の英語では、

clown

とか

flip

あたりでしょう。

He is a class clown.
あいつはクラスのお調子者だ

と言えば、通じます。

clown は、「道化師」とか「ピエロ」っていうことです。

あと flip というのは、「はじく」という意味ですから、「軽々しい」→「お調子者」という流れです。

動詞もありますが、ここは名詞扱いです。

最後に

「昨日の夜は、調子に乗りすぎて、飲みすぎたんで、今朝は、ひどい二日酔いなんだ」

という日本語を最後に英語にして、今日のまとめとしましょう。

This morning, I got hungover heavily because last night, I got a little carried away and drank too much.

二日酔いになると、ひどい自己嫌悪に陥った上に、頭も回りませんよね。

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