ダメ元でなにかするって、歳を重ねるとしなくなってきますね。
ダメなことのほうが多いって、薄々感じてしまってるんでしょうね。
個人的には良くないことだと思います。
英語でなんて言うか翻訳家さんに聞いてみました。
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英語でなんて言う? この状態編を翻訳家さんが解説
「ダメ元」って、英語では何と言うの?
真っ先に浮かんだのは、
という形です。
この nothing という言葉自体に、ダメだったとしても、チャラというか、元々のゼロ感がありますね。
例えば、誰かが財布を失くしたとして、
ダメ元で警察に行ってみればいいじゃんか
こういう言い方ができます。
直訳すると、「警察に行くことによって、失うものはないじゃないか」という意味です。
日本語の「ダメ元」って、「いくら電話しても出てくれないから、ダメ元でピンポン押してみようか」とか、「ダメ元で」という形がいちばん多い気がしますね。
「いくら東大受験しても受かりっこないよ」「いいじゃないか、ダメ元だ」
という形で、「ダメ元」のみで使うこともあるかもしれません。
「ダメ元」というのは、語源をたどるまでもなく、「ダメで元々」が縮まった言い方だと思われます。
ダメ元の財布の話
わたくしごとで恐縮ですが、わたしもつい最近、財布を二回ほどスーパーで紛失しまたことがありましてね。
わたしの周囲では、ありえない忘れものをよくするので、マツケン・サンバの何とか将軍じゃないですが、〝忘れん坊将軍〟と言われてます。
なじみの店では、帰りに「忘れ物ないですよね?」と必ず(!!)言われます。
これは小さい時からの悪い癖で、よく母親から、あんたの居所はおもちゃをたどっていけば、すぐ居所が分かるから楽だわと、褒められてるのか、叱られてるのか分からないことがたびたびありました。
忘れ物とオモチャは関係ないじゃないかって?
いえね、興味が湧いた時、次の興味が湧くと、すぐに次に飛びつき、次々に前のものを忘れていくので、この性向が原因だと思われます。
で、スーパーでの忘れ物の件ですが、結果をお知らせしておきますと、ダメ元でサービスカウンターに問い合わせたところ、二度ともお客さんがカウンターに届けていてくれました。
さすが忘れ物が出てくるので有名なクール・ジャパンです。
なんとか難を逃れました。
問題は中身のお金ではなく、カードを止めたり、あの煩雑さが痛いですよね。
痛むかどうかの話
「ダメ元」には、そういえば、もう一つ使える有用なフレーズがありました。
警察に行く方向だったとしても、痛みはないだろう
直訳だとこうなります。
という言い方です。
先ほどの「ダメ元で警察に行ってみればいいじゃないか」というのは、
とも言えます。
It はご承知のように、頭に主語が来ないと具合が悪い英語らしく、to 以下を指してるんで、許してくださいね。
つまり、「警察に行ってみたって、痛くはないだろ」という言い方です。
hurt は「痛い」という時に使う、ここでは目的語を取らない自動詞の形です。
大きく分けると、動詞は目的語を取る「他」動詞と取らない「自」動詞の二種類あり、自他ともに認める形であるのは、もうすでにご存じですよね。
ちょっと定まらない話
話が脱線してしまいましたが、「警察に行くことによって、失うものはないじゃないか」の話でしたね。
要するに、「警察に行くことによって、失うものはないじゃないか」は、「ああ、財布なくしたって? ともかく、警察へ行ってこいよ。見つかんなくったって、ダメ元じゃないか」という意味ですよね。
なので、平たく言えば、「ダメ元で警察へ行ってこいよ」という意味になるわけです。
最初に挙げた例文のような英語の言い方が、「ダメ元」に近いんじゃないでしょうか。
の部分は、人によっては、ちょっと
と言うかもしれません。
これは
You’ve got nothing to lose という現在完了の have が口語で落ちた形で、ほとんど同じ意味です。
ちなみに、byの後には、動詞の ing形をお願いしますね。
「何もない(nothing)ものを持つ(have とか got)」が、「何も持たない」という意味になるのはおかしいだろって、よく屁理屈を言う人がいますが、何もないものを持てるのが英米人なので、文句を言わないでくださいね。
You have nothing to lose の to 以下なんですが、
「失う(lose)方向(to)のものは何もない(nothing)」ってわけで、
「失うものは何もない = ダメ元」というロジックです。
ちなみに、to不定詞なんちゃらというのを習ったと思いますが、
というイメージで覚えておくと、目的だの、結果だの、用法をいちいち覚える必要がありません。
たいがいはこの考えで行けます。
ただ、この話は長くなるので、いずれ機会があったら、またしましょう。
不定詞は、to+動詞の原形と覚え、「to+動詞」全体で不定詞と覚えている人も多いと思います。
ですが、実は動詞にはそもそも「原型」というものはありません。
学習しやすいので、先生はそう教えてきただけなのですよ。
今更、そんなこと言われても困るという方は多いかもしれません。
この to は「方向」を意味する”前置詞”です。
文法上、前置詞の次は動詞が ing にならなきゃいけないという決まりがあったはずなんですが、前置詞の to と動詞がペアになる時だけは、文法さんここだけは特例なんで目をつぶってね、ということなんです。
動詞がまだ現在か過去か決まってない、時制に左右されない、まさに「不定=定まっていない」形の「不定詞の形をとる」ということです。
ある意味、型破りの形です。
三単現、つまり he とか she とか itで置き換えらる三人称単数の現在の時は、動詞の後に s がつきますね。
いわゆる三単現の s が、なんでこのときだけつくのかは、いまだに英語の歴史最大の謎です。
邪馬台国はどこにあったんだ級の。
それと同じくらい、toの後に動詞が来ていいというルールも不思議です。
シェークスピアの頃は、この s は発音しにくい th でした。
それよりは、まだましと思っておくといいです。
結論から言うと、不定詞というのは、toを含まず、動詞そのもののことなんですね。
先生は、to不定詞、to不定詞って念仏のように言うので、ブロックで覚えてしまいますよね。
というわけで、
長くなりましたが、自他ともに認めるお話をダメ元でやってみました。
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