英語で「運命の赤い糸」はどう言うのでしょうか?
「運命の赤い糸」という表現は、恋愛とか結婚に絡めて使われます。
英語にもあるのか、翻訳家さんに聞いてみました。
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英語でなんて言う? 恋愛ネタ編を翻訳家さんが解説
英語で「運命の赤い糸」
red string of fate
red thread of fate
英語にも、red string of fate という言い方や red thread of fate という言い方があります。
まるで英語を日本語に訳したみたいに、マンマ、「運命の赤い糸」です。
string というのは言うまでもない「糸」「弦」「紐」ですが、thread というのも「糸」で、強いて言えば、ねじり合わせてできている「撚り糸」です。
使い方によっては、前に a が付いたり the が付いたりしますが、流れによっては、red thread だけでも通じる場合があります。
「運命の赤い糸」って何
「運命の赤い糸」という表現は、恋愛とか結婚に関して、日本ではよく耳にしますね。
「あなたとカノジョは運命の赤い糸で結ばれてたのよ」などと、「結ばれてたのよ」という表現とセットで使われます。
では、そもそも、「運命の赤い糸」って何なんだろう?
なんで、色んな糸があるのに、赤い糸なんでしょうね。
まず、そこから考えてみましょう。
どうも縁結びの神がいるらしい
どうやらこれは、
「いつか結ばれる男女は、足首を赤い糸で結ばれている」
という伝説が基になってるらしく、その赤い糸をつかさどってるのは、月下老人という結婚や縁結びの神なのだそうです。
『太平広記(たいへいこうき)』という中国の北宋時代に書かれた書物の中に出てくるので、どうも元ネタは中国のようです。
北宋時代というと960年~1127年の間ですから、日本で言うと、奈良時代から平安中期ぐらいですね。
赤い糸に力があるというのは、こうした中国や日本を含む東アジアで信じられている一方、同じような言い伝えが世界各地にあるようです。
たとえば、ユダヤ人には災いから身を守るために、赤い糸を左手首に巻く習慣まであるそうですしね。
そういえば、戦前と言いますか戦中の日本では、送り出す兵隊さんを敵から飛んでくる銃弾から守るために「千人針」というのがありました。
戦前、戦中を描いたドラマなんかにはよく出てきますね。
あれも、白い布にいくつも縫うのは赤い糸でしたね。
それをもらったほうは、千人力になるというわけです。
ただ、ここでも、なんで赤い糸なのかという説明にはなりませんね。
でも、そのヒントの一つが、西洋での表現にあるようなのです。
西洋には、そういう表現はないのだろうか?
英語には、
という表現があります。
つまり、炎のことを言っているので、双子というのも変ですから、「二対の炎」ですかね。
ただ、「双子の炎」というのが熟した言い方のようです。
この表現は、最近よく耳にするようになった「魂の伴侶」という意味での、soulmate ともリンクするようですが、大幅に脱線してしまいそうなので、関連についてはここでは書きません。
この辺のことを踏まえると、なんで赤い糸かというと、炎だから「赤い」の連想につながったのではないでしょうかね?
当方は、民俗学や社会学者でもないので、そのへんの究明は専門家にお任せするとして、問題は「双子の炎」ではなく、「運命の赤い糸」です。
「運命」はいいのか?
日本人が真っ先に考えそうな直訳となると、
なんて思いつきそうです。
運命の destiny はいい線なんですが、運命と赤い線が結びつきません。
これだと「赤線」の運命ってことで、その響きを聞いて、夜遊びをイメージしてしまう人もいるかもしれません。
「運命の赤い糸」はもっとピュアな表現なので、これはいけません。
映画好きな人は、テレンス・マリックという幻の巨匠監督の名作『シン・レッド・ライン』を想像してしまうかもしれません。
この映画、恋愛とかには無縁です。
とりあえず、この直訳でこの単語の並びでは、ピュア目線では厳しそうです。
「運命の赤い糸」の運命
red string of fate
red thread of fate
正解の英語を見ると、まるで日本語の「運命の赤い糸」を、英語が直訳にしたようにも見えますよね。
とりあえず、直訳では厳しいなんて書いたそばからそれっぽくなってしまいました。
なんだかフクザツな心境です。
でも、あったんですね、こんな運命的な和英の照応が・・・
深堀り予定
実はこれに関連した表現は英語にはまだまだあります。
個人的にはそっちの話のほうが大事かもしれないなあなんて感じてるので、それは、別記事でお話することにいたしましょう。
これが、「赤い糸」という表現の、ある意味、「運命」かもしれません。
なんだか、意味深だなあ・・・
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