英語で「後の祭り」って何ていうのか、英語わからない軍団で直訳大会になりました。
想像通りの展開になったところで、翻訳家さんが教えてくれました。
で、日本語のことも調べて教えてくれました。
何十年も日本語を使っているのに、知らないことだらけでした。
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英語でなんて言う? この状態編を翻訳家さんが解説
英語で「後の祭り」って、どう言えばいいの?
って言えば、「遅かりし」ってことで、「後の祭り」という意味にはなりますね。
まさか、After a festival ってことはないでしょうね。
それは直訳すぎます。
書いてしまってから気づいたのですが、もう答えを書いてしまったので、この記事は先に進めません。
まさに、「後の祭り」です。
「後の祭り」という表現
日本語の「後の祭り」という常套句は、そもそもどういう経緯でこういう言い方になったんでしょうか?
ついでに、そこらへんも一応おさえておきましょう。
それには、どうやら以下の二つの説があるようです。
祇園祭は祇園ばやしに彩られながら、7月1日から約1か月間開催されます。
その中に、山鉾(やまほこ)と呼ばれる豪華な山車(だし)が17日間練り歩く山鉾巡行を「前の祭り」と言い、その後の山鉾も出ない行事を「後の祭り」と言うそうです。
賑やかさのない「後の祭り」に見物に行っても意味がないことから、そう言われるようになったというものです。
なるほど、山車が出ないのは寂しいです。
これはごもっともです。
どちらの説にしても、「後の祭り」という表現は、「手遅れ」だという意味を祭りにたとえた比喩表現ですよね。
日本語が比喩表現なのに対して、英語の It’s too late.は、事務的に「手遅れ」と言ってるだけで、何もたとえを使っていません。
英語にもあるぞ、「後の祭り」のような比喩表現
あの船はもう出航してしまった
実は、英語にも一種の比喩表現があるのです。
「あの船はもう出航してしまった」というのが直訳です。
五木ひろしの昭和の歌謡曲流に言うと、
「あの~人は・・・」じゃなくて、
「あの船は、行って、行って、しまったあ~。もう帰らな~い♪」
というイメージです。
ここでは、現在完了の has が効いてますね。
と、過去に起こった出来事と現在の関係を表す現在完了の本質がよく出ていて、くどくど言わない、簡潔な表現だけに、( )内の余韻がかえって感じられます。
遠くの沖に波を立てて出航してしまった船。
それを寂しそうに見送りながら埠頭に寂しく立っている人の風景さえ浮かんできます。
トリ逃がしてはいけないフレーズ
もう一つ、同じようにビジュアル的な表現があります。
それが、
鳥は飛び立ってしまった
という表現です。
このフレーズは、ビートルズも使っていましてね。
ジョン・レノンが書いたと思われる、日本では「ノルウェーの森」というタイトルで知られる曲です。
この曲は、邦題では「ノルウェーの森」と謳われてますが、実は「ノルウェーの木」なのです。
原題は、
で、woods と複数になっていれば、「森」という意味もありますが、単数なので、あくまでも「木」です。
こういう時の、日本語は優れてますね。
複数の「森」の時の漢字は、木が三つで、単数の「木」の時は、木が一本ですものね。
この歌は、オノ・ヨーコと離れて暮らしていたジョンが、ある女性と関係を持った時のことをモチーフにした歌です。
翌朝、起きてみると、彼女は仕事にでも向かったのでしょうか。
その姿がなかったのです。
ちょっと癪(しゃく)だったジョンは、歌の最後のほうで This bird has flown.と、(逃がした獲物は大きい)みたいな意味合いで言います。
その後、「だから、火をつけたんだ。な、いいだろう、ノルウェーの木って?」と、最後に不気味なセリフを残して終わるのです。
さすが、ジョンは、屈折してた人ですからね。
これが森だとすると、森林火災が起きてしまいます。
暖炉に火をつけただけかもしれませんし、タバコに火をつけたのかもしれないし、そのへんはぼかしていてます。
ノルウェーの木ということで、北欧の家具に囲まれたおしゃれな生活をしていた女性も匂わしてます。
それに火つけたろか、みたいな。
超シニカルというか、ブラックで、うまいです。
もちろん、船のフレーズのほうも、鳥のフレーズのほうにも、「逃した獲物は大きい」「痛手は大きい」というニュアンスは含まれています。
「後の祭り」的な・・・。
ニュアンスじゃない直球な痛手
では、最後に、「後の祭り」という意味合いで使われ、比喩は使ってないけれど、まさに「痛手」という言葉を使った表現をご紹介して終わりましょう。
それが、
という言い方です。
「ダメージは受けた → もうどうしようもない → 手遅れだ」
つまり、「後の祭り」ということです。
こんなフレーズを今さら覚えても、「後の祭り」ですって?!
では、次の「お祭り」に備えましょう。
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