英語で「起承転結」は何ていうか翻訳家さんに聞いてみました

英語で起承転結

introductionから始まるそうです。

introductionは聞いたことありますけど、起承転結みたいに流れをまとめた表現ってあるんですかね?

翻訳家さんが、そもそもの話をしてくれました。

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英語で「起承転結」

英語で起承転結は、

introduction, development, twist, conclusion

でいいでしょう。

  1. Introduction「物語の紹介」
  2. development「発展」
  3. twist「ひねり」
  4. conclusion「結論」

と、きれいに四つに分ける人もいます。

ただし、気をつけないといけないのは、日本の物語の四つの構成という方法をネイティブがしてるのかというと、そうとは限りません。

共通認識ではないということは、頭に置いておいてください。

英語圏ではひとつ多かったり

英語圏のストーリーの構造について語っている人は、起承転結を簡潔に

dramatic structure

つまり、ドラマの構成は、

dramatic structure of a narrative
語り口のドラマ上の構成

と言う人もいます。

その dramatic structure には、五つのステージがあって、それは

  1. exposition
  2. rising action
  3. climax
  4. falling action
  5. denouement/resolution(解決)

の五段階とする人もいて、これは起承転結の四段階よりも一つ増えるわけですね。

1.の exposition というのは、「説明」ということで、ex- の部分は、「外に」というのが原義で、-pos- の部分は「置く」という意味なので、内容や中身などを外に出すので、「説明」ということになるのです。

たとえば、クラシックの「運命」交響曲で、ジャジャジャジャーンというのが、この「提示部」に当たり、英米では exposition というわけです。

中身を外に、というか、表に出すイメージですね。

まあ、ex- 以降は、position(ポジション)と同じだから、分かりやすいですよね。

ここではストーリーの紹介などを指します。

2.は「アクションを起こす」だからいいですよね。

3.は文字通りにはクライマックスですが、クライマックスはクライシス(危機)と考えてもいいと思います。

4. は、主人公がなんかの危機を切り抜けた後のドラマで、falling actionは直訳すれば「静まっていくアクション」で、「アクションが静まりゆく中のドラマ」ということです。

5. は、resolutionですから、文字通り、「解決」ですよね。

 

さて、ここで、ぜひ覚えてもらいたいのが、

denouement

という言葉です。

イギリス英語ではデイニューモン(モにアクセント)

アメリカ英語ではデイニューマン(マンにアクセント)

と、英語っぽくありません。

この言葉は、実は元々フランス語から入ってきた言葉なので、それはスペルを見ても分かりますよね?

亡くなった名優ポール・ニューマンの発音みたいでしょ。

若い人は、アカデミー賞を獲った『アメリカン・ビューティ』の音楽を担当したトーマス・ニューマンですかね。

関係ないスね。

それより、de は from とか out という意味でして、-nouementの部分は「結び目」で、つまり、全体で「結び目がほどける」という意味です。

 

渋い日本語で言うと、「大団円」というのがぴったんこですね。

小説・芝居・事件が、めでたくおさまる最後の局面のことです。


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今さら聞けない起承転結という言葉の起源

ところで、そもそも、日本語の起承転結って、どういう意味だったのでしょうか?

起承転結は、元々、四行(つまり、四句)で構成される漢詩の絶句という形式から来た言葉で、起承転結のそれぞれ漢字の四行があります。

一行が5文字と7文字のパターンがあるようです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%B7%E6%89%BF%E8%BB%A2%E7%B5%90
Wikipedia 起承転結

漢詩は難しく見えますねえ。

ざっくり、漢詩から来てるってことだけは覚えておいて良さそうです。

漢詩が得意ではない方も多いでしょうから、実例をお示ししましょう。

といっても、漢詩はここに引きません。

起承転結の簡単な文章を作ってみました。

起:昼下がり、いつものように電車に乗って、私は買い物に出かけました。
承:驚くことに、電車の中に一匹の猫が乗っているではないですか。
転:電車に猫がいるなんて、野良猫か、やれ「私は猫嫌い」だの、車内は大騒ぎ。
結:しかし、別の車両から飼い主らしき人が大慌てで走ってきて、猫を無事保護。電車は終点に着いて、めでたしめでたし。

という具合です。

欧米ではひとつ減ったり

以上、起承転結というのは、漢詩から来た四幕構成ということが分かりました。

起承転結と並んで、日本の歌舞伎や能や茶道などには、「序破急」という言い方もあります。

起承転結と違って、序破急は三文字ですから、三幕構成になります。

実は、英米を含め、欧米ではこの三幕構成が多く、どうやら序破急が世界標準ということのようです。

起承転結じゃないのか、序破急かと、残念な気持ちになってきたかもしれませんが、序破急の三幕構成なら、英語にもそれらしき言い回しがいくつかあるので、次回はぜひ「序破急」は英語で何というのか、それを深堀りしてみたいと思います。

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