英語で「水掛け論」はどう言うのでしょうか?
いくつか表現はあるようですが、翻訳家さんはどれを選ぶのでしょうか?
聞いてみました。
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▼まだまだ聞いた翻訳家さんの面白解説▼
英語でなんて言う? ビジネス編を翻訳家さんが解説
英語で「水掛け論」
って言います。
いくつか通じるものはありますが、これならバッチリです。
人によっては、
とか、
引用符を振って、
と表記する場合もあるかもしれません。
「彼は言った彼女は言った」の水掛け論ということです。
男女の言い争いになぞらえてるわけですね。
say が said と過去形になってるところに注意してください。
結果論として見ている視点です。
具体的な確証もないのに、二者がまるで水でも掛け合ってるように、不毛の議論を戦わせているということですね。
じゃあ、男と男が、あるいは女同士が水掛け論をしてる時は、あきれた感じでどう言えばいいかと言うと、
「あいつらずっと水掛け論してた」
と、likeを使って「たとえて言うと」論にして言えばいいわけです。
また、ユーモラスに、男同士にしちゃって、
That’s a he-said-he-said argument.
としゃれにして言えば、笑いがとれるかもしれませんね。
そういえばこんな曲が…
この表現で、ビートルズの「シー・セッド、シー・セッド」という曲を思い出した人がいるかもしれません。
でも、she の二回繰り返しなので、ここは「水掛け論」の意味ではありません。
この曲の歌詞の she は、もともと he だったらしいのです。
この he がなんと、ピーター・フォンダという当時のアメリカの若手俳優のことだったそうです。
ピーター・フォンダといえば、70年代に一世を風靡した『イージー・ライダー』という映画があって、バイクのハンドルがにょきっと長い、チョッパーという改造バイクに乗った二人の若者が、南部を旅する物語の主演男優です。
この曲を作ったジョン・レノンはピーターと交流があったらしく、「俺は死というものを知ってるんだぜ」と言ったその言葉がきっかけになってできた曲らしいです。
そこで、he を she に変えて、ピーターだとバレないようにしたとか。
いや、ほんとはそうじゃないって?!
いや、水掛け論になるから、やめときましょう。
「水掛け論」を英語にすると?がお題の席
当方の仕事が英語の翻訳だなんて、うっかり口走ってしまうと、「この日本語は英語で言うと、何というの?」という質問は、20代の結婚前の女子から、60代のリタイアしたギターおじさんまで、とにかくありとあらゆる人から、つまらない質問やら、どきっとする質問をされ、閉口することがよくあります。
こういう時は、職種を言わなきゃよかったと後悔して、次回からなるべく隠すようにするのですが、バレてしまってる場合は、しかたなく、対応します。
そういう時は、すぐに答えを言わず、あなたはどう思うという予防線を張っておくと、質問が少なくなり、ごはんやお茶やお酒が進みます。
先日出てきた言葉の中に、「水掛け論」がありました。
出てきた答えがなかなか面白かったので、ちょっといじりますね。
直訳すぎな・・・
こんなのが出てきてました。
あまりにも日本語に近すぎるし、直訳すぎます。
まあまあな答え
確かにいつまでたっても、no answer な議論(argument)な時がありますからね。
伝わることは伝わるんでしょうが、ネイティブに通じる度合いは、70点ぐらいじゃないでしょうか。
惜しい答え
まるで『ネバーエンディング・ストーリー』みたいですね。
確かに「水掛け論」は、ある意味、いつまでも終わらないネバーエンディングな議論に見える時がありますね。
惜しい!
これだと90点ぐらいでしょうか。
あと10点足りず、悔しいのでがんばりたくなりますね。
99点レベルの英語
これは99点レベルで通じます。
そんなの、所詮、終わりのない議論にすぎないよ
なんて、最後に「所詮」とか「なんだかんだ言っても」の after all をくっつけたら、かっこいいですね。
でも、ネイティブ・レベルにあと一歩足りませんね。
1点差です。
傑作な英訳
これはどうでしょう?
なかなかの傑作ですね。
卓球のラリーのように延々と続くトークという意味でしょうが、残念ながら、ネイティブに通じる度は低いです。
チョレ~イとはいきません。
でも、大事なのは、その一言だけで通じるかどうかではなく、通じるかどうかはコンテクスト(文脈)という、前後の流れで大半が決まるということです。
どうか、それを肝に銘じておいてください。
ただ、大して聞きなれない言葉のほうが、逆に衝撃が強くて、ウケる可能性はあります。
英語と付き合うために絶対必要なこと
英語はとにかく、恐れずに試してみてください。
失敗すると、逆に絶対に忘れないものです。
前後の流れさえ合っていれば、多少の誤差は問題ではない場合も多いですね。
唐突に一言だけ発しても、相手はきょとんとするかもしれません。
それは日本語でも同じじゃないですか?
そこだけは、日本語も英語も同じなのです。
では、また、日頃なじんだ日本語を英語で何というか、の旅で、お会いしましょうね!
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