英語で「水掛け論」は何て言うのか翻訳家さんに聞いてみた

英語で水掛け論

英語で「水掛け論」はどう言うのでしょうか?
いくつか表現はあるようですが、翻訳家さんはどれを選ぶのでしょうか?
聞いてみました。

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英語で「水掛け論」

he said-she said argument

って言います。

いくつか通じるものはありますが、これならバッチリです。
人によっては、

he-said-she-said argument

とか、

引用符を振って、

“he said, she said” argument

と表記する場合もあるかもしれません。

 

「彼は言った彼女は言った」の水掛け論ということです。

男女の言い争いになぞらえてるわけですね。

say が said と過去形になってるところに注意してください。

結果論として見ている視点です。

具体的な確証もないのに、二者がまるで水でも掛け合ってるように、不毛の議論を戦わせているということですね。

 

じゃあ、男と男が、あるいは女同士が水掛け論をしてる時は、あきれた感じでどう言えばいいかと言うと、

They talked endlessly like a he said-she said argument.
「あいつらずっと水掛け論してた」

と、likeを使って「たとえて言うと」論にして言えばいいわけです。

また、ユーモラスに、男同士にしちゃって、

That’s a he-said-he-said argument.

としゃれにして言えば、笑いがとれるかもしれませんね。

そういえばこんな曲が…

この表現で、ビートルズの「シー・セッド、シー・セッド」という曲を思い出した人がいるかもしれません。

でも、she の二回繰り返しなので、ここは「水掛け論」の意味ではありません。

この曲の歌詞の she は、もともと he だったらしいのです。

この he がなんと、ピーター・フォンダという当時のアメリカの若手俳優のことだったそうです。

ピーター・フォンダといえば、70年代に一世を風靡した『イージー・ライダー』という映画があって、バイクのハンドルがにょきっと長い、チョッパーという改造バイクに乗った二人の若者が、南部を旅する物語の主演男優です。

この曲を作ったジョン・レノンはピーターと交流があったらしく、「俺は死というものを知ってるんだぜ」と言ったその言葉がきっかけになってできた曲らしいです。

そこで、he を she に変えて、ピーターだとバレないようにしたとか。

いや、ほんとはそうじゃないって?!

いや、水掛け論になるから、やめときましょう。


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「水掛け論」を英語にすると?がお題の席

当方の仕事が英語の翻訳だなんて、うっかり口走ってしまうと、「この日本語は英語で言うと、何というの?」という質問は、20代の結婚前の女子から、60代のリタイアしたギターおじさんまで、とにかくありとあらゆる人から、つまらない質問やら、どきっとする質問をされ、閉口することがよくあります。

こういう時は、職種を言わなきゃよかったと後悔して、次回からなるべく隠すようにするのですが、バレてしまってる場合は、しかたなく、対応します。

そういう時は、すぐに答えを言わず、あなたはどう思うという予防線を張っておくと、質問が少なくなり、ごはんやお茶やお酒が進みます。

先日出てきた言葉の中に、「水掛け論」がありました。

出てきた答えがなかなか面白かったので、ちょっといじりますね。

直訳すぎな・・・

water splashing talk

こんなのが出てきてました。

あまりにも日本語に近すぎるし、直訳すぎます。

まあまあな答え

no answer argument

確かにいつまでたっても、no answer な議論(argument)な時がありますからね。

伝わることは伝わるんでしょうが、ネイティブに通じる度合いは、70点ぐらいじゃないでしょうか。

惜しい答え

Never ending talk

まるで『ネバーエンディング・ストーリー』みたいですね。

確かに「水掛け論」は、ある意味、いつまでも終わらないネバーエンディングな議論に見える時がありますね。

惜しい!

これだと90点ぐらいでしょうか。

あと10点足りず、悔しいのでがんばりたくなりますね。

99点レベルの英語

endless debate

これは99点レベルで通じます。

That’s an endless debate, after all.
そんなの、所詮、終わりのない議論にすぎないよ

なんて、最後に「所詮」とか「なんだかんだ言っても」の after all をくっつけたら、かっこいいですね。

でも、ネイティブ・レベルにあと一歩足りませんね。

1点差です。

傑作な英訳

ping pong talk

これはどうでしょう?

なかなかの傑作ですね。

卓球のラリーのように延々と続くトークという意味でしょうが、残念ながら、ネイティブに通じる度は低いです。

チョレ~イとはいきません。

でも、大事なのは、その一言だけで通じるかどうかではなく、通じるかどうかはコンテクスト(文脈)という、前後の流れで大半が決まるということです。

どうか、それを肝に銘じておいてください。

ただ、大して聞きなれない言葉のほうが、逆に衝撃が強くて、ウケる可能性はあります

英語と付き合うために絶対必要なこと

英語はとにかく、恐れずに試してみてください。

失敗すると、逆に絶対に忘れないものです。

前後の流れさえ合っていれば、多少の誤差は問題ではない場合も多いですね。

唐突に一言だけ発しても、相手はきょとんとするかもしれません。

それは日本語でも同じじゃないですか?

そこだけは、日本語も英語も同じなのです。

では、また、日頃なじんだ日本語を英語で何というか、の旅で、お会いしましょうね!

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